きゃんどる洞窟

すらりぬらりとイデアさん[idea]、手記綴ら...

(avant)

空はいつもと変わらず濁っていた。分厚い灰色の影で覆われ、遠くにゆらりと浮かぶ山々は視えるようでいて、そのどれもに確たるカタチはない。ジーラさんは今は昼だと言う。昼というのは空に陽が昇って辺り一帯が照らされ、光がどこまでもすぅっと澄み渡り、空気がぽかぽかと暖かい時間......らしい。そんな嘘、誰が考えたのだろうか。自分が知っているのは、六期中曇ったままの空、そしてその遥か向こうに横たわる出処のわからない...