きゃんどる洞窟 CandCave

すらりぬらりとイデアさん[idea]、手記綴ら...

差し伸ばした手の先は

 子どもの頃、暑い時期によく花火をした。友達と昼間遊んだあと、日が暮れてくると一度それぞれの家に帰り数時間後にまた合流するのだ。もう太陽は見えないのに、再び集まって夜に遊ぶのがなんだかいけないような気がして、不思議な感じで、わくわくした。淡い閃光。波音のような光のシャワー。笑い声のなかでひとつだけ透き通った、鈴の微風。その風は、今でも自分のどこかでそよぎ続けている。ただひたすらに世界に心躍って...

雷乙女

 「相変わらずシケた天気だ」いつ頃から降っていただろうか。分厚い雲に覆われ、太陽なんて見えやしない。この世には最初からお日様なんてなかったんじゃないか、そう思えてさえくる程に。「いけねぇ。こっちまで沈んじまう」仕事でも探そう。最近土砂崩れがあったみたいだから、その手の復旧作業員でも募集しているだろう。そうは言っても、こんな天気じゃ肝心の仕事もあるか怪しいが。「よぉ。なんか仕事あるか」「あぁ・・...