きゃんどる洞窟

すらりぬらりとイデアさん[idea]、手記綴ら...

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幼さ故の変容の可能性

ある時、向かいの老婆が亡くなった。亡くなった、と言ったが実際に死んだという報告は誰からも聞いていないし、この目で見てもいない。それどころか私は彼女について何も知らなかった。なにも。彼女を初めて見かけたのは、茹だるような8月初めの朝。あまり手入れされているようには見えない、見るからにボサボサの生垣の隙間からだった。テレビを見ていた。時節的に高校生の甲子園中継だろうか。実況のような声と、数千の蝉の中か...