きゃんどる洞窟

すらりぬらりとイデアさん[idea]、手記綴ら...

いつかの花 prologue - EQ2

 

涼やかな、サラサラとした梢の先の葉が触れ合う音。
いつまでもこの風が頬や髪を通り抜けるような、そんな暖かな茜色の森のなかに二つの影があった。

「とても綺麗なの。淡い光が幾つも舞って・・・ちょうどこの時期に出てくるのよ。」

「へぇ、見てみたいな・・・」

「とっておきの場所があるの。ねぇ、これから行きましょうよ!」

「すまない、今夜は・・・大事な用事があるんだ」

「そう・・・」

「明日なら大丈夫だけど」

「ほんとに!じゃあ・・・、そうだわ」


「はい。」

「これは・・・」

「そのほうが面白いでしょ。それに・・・そこで待ってるから。」

「必ず行くよ。じゃあ、明日の夜に」

「えぇ、また明日。」




青年は娘と別れると、辺りに人気の無いことを確認してから懐のリンクシェルを取り出した。

「・・・はい・・・はい・・・予定通り・・・・・了解・・・」

先程とは違った真剣な面持ちで誰かと連絡を取る。

しかしそんな彼の様子を隠れて聞いている者がいた。





「そっちだ!!そっちにいったぞォッ!!!」

「ハァハァ、ハァ・・・!」

足場の悪い闇の中を走ること数時間。
またしても息が切れそうになった青年は、咄嗟に近くの物影に隠れる。

危ないところだったが何とかやり切れそうだ。

が、その時何の因果か一陣の風が吹き、彼のポケットから一枚の紙切れが風に流されてゆく。

必死の思いで紙切れを追い、飛び出す青年。


次の瞬間、気付くと彼は後ろから矢に射抜かれていた。


「・・・帝国が悪いんだ・・・お、お前らが来るから・・・!」

「おい!!何してる!!早くしろ!!!」

そう遠くで誰かが叫んだ後、幾つかの足音はどこかへと走り去っていった。




やはり許されないのだろうか。

自分のような存在は、人は、永遠に罪を背負い続けるしかないのか。


生まれ変わることは出来ないのか・・・



でも、それでも僕は・・・



生きるべきだと思いたい。


人を愛したい。





「・・・セ・・ヴィリ・・・ア・・・・・」









白く霞んでいく視界のなかで、彼は命じられていた作戦失敗時の処置を無視し、懐の機密文書破棄をしなかった。


心の奥で納得出来ぬまま、それでも手を下してしまった最後の自らの過ちを、誰かが止めてくれることを願って。







翌朝、彼の冷たくなった身体はグリダニアへと運ばれていた。

そして懐からは偶然にも、ある重大な機密文書が発見されるのだった。

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Event Quest 2
「遅過ぎた脱線」/「誰かの光」に続く・・・



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